「韓国とりわけ釜山に行くなら、チャガルチ市場でケブルを食べよう」(2005.05.02・11.03.追記有り)

「冬のソナタ」の大ブレークから最近の韓流ブームは、日本のアズマ軍団(おばさま軍団)を韓国一色に埋め尽くした雰囲気ですが、色々な観光案内で、「焼肉」「キムチ」その他色々な事が紹介されていますが、今回休憩室に登場する「ケブル」と言う名の食べ物については、ほとんど記載が無いようです。

そこで、この「ケブル」について薀蓄を述べてみます。いつのテーマもどうでも良いことばかりで恐縮ですが、飲んだ時の話のネタにはなるかもしれません。

釜山には、福岡から飛行機で30分足らず、高速艇「ビートル」でも2時間50分。実に近い外国なことは誰でもご存知のことですが、この釜山の話となると、何でも安い国際市場と並んでチャガルチ市場が有名で、世界各国の人々が足を運びます。

まず、話の前にそもそも「チャガルッチ」とは何だろう。

およそ、東南アジア各国は、日本韓国に限らず中国を発祥とする漢字圏でありますが、時代の変化と共に東南アジア共通文字「漢字」が通用しなくなったことが非常に残念でなりません。

昔なら、中国の新聞なり本を見れば、読めなくても発音できなくてもそれなりに意味が理解できたのですが、なにせ中国本土が漢字の簡略化が進み、わからなくなってしまっています。

韓国もハングルだけだと何のことか判りません。それでも漢字に置き換えるとそこそこ理解できます。そこで私は、何時もハングルの言葉を聴いたら直に漢字ではどう書きますかと聞きます。ところが、この「チャガルチ」と言う言葉には、漢字が無いと言うのです。

ヴェトナムのホーチミン市、旧サイゴン市でも「西貢」と漢字で書くことが出来るのに、中国から伝来した漢字が日本に到達する過程の韓国に漢字が無いわけが無いと詳しく聞いてみると。

「チャガルチ」は会話言葉から生まれた名前だと教えて貰いました。「チャガルチ」の「チャ―」は、日本語で言う「サー」と言う掛け声で、「ガルチ」は、「太刀魚」のことだそうです。

 

魚市場で威勢良く「サー太刀魚を買ってください」と連呼したことが始まりで、「チャーガルチ・チャーガルチ」と叫んでいる言葉から生まれた市場の名前だったのです。これで納得です。

そう言えば、私の住んでいる北九州市にも最近「チャチャタウン」なるものが出来ました。中国語でもなければ韓国語でも無い、韓国のチャガルチと同じ発想です。

なぜなら北九州地方の方言は、言葉の末尾に「ーーーーチャ」と付くことが多いので出来た名前「思うチャ」思います)、「行こうチャ」(行きましょう)など直にチャ。チャと繰り返すからだと。長くなるので、言葉の語源や、由来などは、またの機会で書くことにして、本題の「ケブル」について述べます。

3月中旬にある方(匿名希望のKさん)からメールを頂きました。「チャガルチ」の語源は、違うとのご指摘でした。
チャガルチの語源は、「チャガル ゴッチ{小さな小石が有る畠の場所}」(発音の正しさは?)が訛った言葉だと言う説も有るとのご指摘でしたので紹介します。どうでも良い事ですが、4月末にチャガルチ市場に行った時、再度確かめました。完璧な日本語が話せる取引先の朴さんの話です。

発音的に似てはいるが、それは、違うと主張されました。チャガルチの海岸は、小石の畠や砂浜の有る場所ではもともと無いので当てはまらないのではないかとのご意見です。船が直接接岸できる砂浜の部分が少ない場所だからこそ鮮魚市場が発達した場所だから、やはり「さー太刀魚を買って下さい」と叫んだパワフルなアズマさん(オバサン)の掛け声が語源と言うのが正しいようです。もっともこの会話から、「アズマ」の事を、釜山地方の方言で「アジメ」と言うのを知りました、早速何時もの店に行って注文する時に「アジメ」と声かけして、焼酎1瓶サービスしてくれました。

このホームページを見て、「お前の行く店の名前は何だ」との問合せが良く来ますので紹介しておきます。

店の名前は、日本語風に言えば「大栄商会」(DAE YOUNG SANG HEOEI)となるでしょうが、残念ながら店の看板に漢字がありませんので、どうしてもこの店に行かれる方は、店番号(146.149.150.)を目安に行ってみてください。気前の良い素敵なアジメさんが色々食べさせてくれると思います。日本語は、全く通じませんが、紙と鉛筆でチャレンジして見てください。釜山の現地ビジネスマン、恋人同士など何時も混んでいます。イルポン(日本)、ツマガリ(津曲)、フレンドで何かサービスがあるかも。この店は、醤油・わさびは、日本製、割り箸完備です。

「追記05.11.03.」
2005年11月2日チャガルイチ市場に行った時、晴れて「大栄商会」の漢字の看板が出ていました。通い始めてから3年目の出来事でした。(この漢字を見るまでお店の漢字表現は「大英商会」と思っていたのですが、)醤油も九州人に評判の刺身醤油完備でした。これで手ぶらで日本と同じように食べられます。

「ついでの報告」
店で何時ものように、呑んで騒いでいました。灰皿が無いのでアジメさんにチェットリ(灰皿)とお願いしました。この店の灰皿は、アワビの殻が定番です。その日は、時間が早かったのか、かたずけた直後だったのか、アワビの殻がたまたま無かったのです。
豪快でした。アジメさんおもむろに生簀の中のアワビを取り出し、中身を包丁でクルリと取り出し貝殻2個を灰皿に仕立ててくれました。アワビは注文していません。アジメさんOKO,OKと笑うばかりです。活き造り専門の店、あのアワビはどうなったのでしょう?灰皿の為に一生を終えたアワビとお店の採算ーー人事ながらーーー。次のお客さんの突き出しになったのかな????。

 

他にも楽しい店はたくさん有ります。そんな店が見つかれば連絡下さい。基本的に日本語が通じる店は高いようでが、そうで 無い店も沢山あるはずです。

「ケブル」てどんな物。

 

ケブルとは、細長いナマコの親戚のようなもので、ちいさい物は、小指大、大きい物になると魚肉ソーセージ位あり表面は、凸凹の無いツルンとしたピンク色をしている。実に奇妙な形状と色を持った生物です。聞くところによると、韓国南部地方、特に釜山周辺が産地であるとか聞いています。

ナマコだって同じですが、あのグロテスクな形状の軟体生物を最初に食べた人の勇気に感服しますが、もちろんケブルとて似たようなもので、韓国中部の取引先の人は、釜山に来て始めて食べたと言っていましたから、韓国人全てが知っている有名な食材では無いようです。

最初に見たときは、とても食する気分にならなかったのですが、食べてみるとこれが意外や意外シコシコと歯ごたえがあって結構旨いのです。

日本にも日本海側の港では水揚げされているそうで、日本名「ゆむし」と言うのだそうですが、見たことも聞いたことも無いのです。

そこで、韓国チャガルチ市場に出かけれれる方の為に、この「ケブル」の特性について詳しく書きます。

形について、前述の説明でイメージがわかないと思いますので、端的に表現すれば、「ミミズ」が50倍くらいに膨らんだ状態で,男性自信と非常に酷似した形、何も刺激を受けなければ、海水の中をそれとなくふにゅふにゃ泳いでいるそんな感じです。

 

指でつついたり、手で軽く握ったりしていると、怒って?か、パンパンに膨らみ、前述の魚肉ソーセージのようになる。そのピンと反り上がり硬直したケブルを水から持ち上げた瞬間一気に水を一直線に噴出し、その後は、シナーと萎んでしまう。それとなく想像できる正にそのイメージがぴったりの生物なのです。

色は、小さい親指大の物は、正に綺麗なピンク色そのもので、少し大きくなると段々ピンク色が濁ってきて、大きいものは、少し黒ずんだ、ピンク色になっています。このあたりも正にご想像そのものの変化です。

ついでに言えば、「ケブル」と言う単語の語源は、「犬のペニス」と言う意味だ。と聞きましたが、真偽は確かめていません。どなたかご存知の方は、教えてください。

「ケブル」の味は、表現が難しいのですが、刺身で食べると、サザエとなまこをたして割ったような味と表現すれば良いでしょうか。よく説明できませんが、とにかくそこそこ美味しい食べ物と申し上げておきます。あとは、現地に行ってのお楽しみ。

行く時は、福岡からなら空港でも港でも売っていますが、「刺身醤油」(九州地区限定)とチューブパックの「金印ねりわさび」とか「ハウスねりワサビ」など口に合った物を持参したほうがより美味しく食べられると思います。

最近は、日本の刺身醤油や、日本製わさびを準備し、割り箸も出してくれるところが多いのでそれほど気にはなりませんが、韓国のわさびは、一般的に色がどぎつくチョット日本人には、厳しいかも。醤油は、韓国でもキコーマン醤油が一般的ですのでこれでよい人は、問題ないでしょう。

チャガルチでも、私は、仕事の関連で、昨年度だけでも9回、度々韓国に行きますが、釜山に行く時は決まってチャガルチ市場正面のホテルに泊まります。そしてチャガルチ市場でこの「ケブル」と「イーダコ」の踊り食いを最初に食べます。

ほとんどが、現地の取引先の人と行きますが、いつも行く店のアズマ(おばさん)と、私は、お互いにまったく会話が通じません。それでも見よう身振りで、日本では味わえないすばらしい食べ物をたべさせてくれますしかも安い。

韓国に行かれる場合は、是非この「ケブル」の刺身を堪能してください。非常にお勧めです。ただ、チャガルチや海雲台(ヘウンデー)は、観光地化され過ぎて、随分と値段が高くなったのが残念でなりません。

このレポートでまたまた日本人の多くが「ケブル」観光に来て値段が高騰するのを恐れていますが、観光案内にまだ出ていない状態ですので暫くは、大丈夫でしょう。

チャガルチでケブルを食べて、帰りに韓国特産「岩海苔」をおみやげと言うのがまもなく定番になるでしょう。焼肉だけが、韓国の魅力ではないと思います。

最近知った事ですが、チャガルチからそんなに遠くない別の港に行けば、かなり安く食べられます。もっとも別の港では、日本語の通じない店が多いので、現地の人と行くのがより美味しく堪能できるでしょう。

韓国に行って「ケブルを食べよう」こんなツアーがあっても良いかもしれません。

このまえこの話をした時に、聞いたことですが、日本の漫画で寿司をテーマにした本の中にも「韓国のケブル」は出てくる有名な話しだそうです。

ついでの話

訪問回数を重ねた今でこそ、韓国料理の名称や、種類は、少しはわかるのですが、もう6年位前の話で、釜山の有名な観光地「海雲台(ヘウンデー)」に宿泊したときの話です。有名な観光地であるだけに、当然のことですが、韓国内はもとより、日本からもたくさんの観光客が来ます。ところが、私を含め日本語の看板が無い店には、足が向きません。それでも観光地です。日本語くらいと通じるだろうと思い、出来るだけ現地の人が行く店でオリジナルの韓国料理を食べるのが、味は、本格的で予算的にも魅力が有りますので、ある店に行きました。

通常は、現地の人が食べている食材を指差しこれと同じもので注文するのですが、たまたま、その時間には、だれもほかの客がいません。たぶん余り繁盛していない店だったのでしょうか?時間が悪かったのでしょうか?

これは困りました。日本のように写真や料理見本などがまったく有りません。全てハングル文字で一体何を注文したら良いのか皆目見当が付かない時に、必殺の伝達法が「漢字」でOKと自信を持って書いたのですが、店の店主、日本語はもとより漢字も全く理解してくれません。(最近では、韓国でも漢字教育が復活しかなりの漢字が通用するのですが、一時期の漢字教育を受けなかった世代の方でした)

そこで、紙と鉛筆。蟹の絵、海老の絵、貝の絵など具になる素材を絵で書いて、次に鍋の絵、炎の絵、と次々に絵文字で見事に伝達できました。大変美味しい「海鮮よせ鍋」がみごとに出来上がり楽しく食事をしました。

支払いの段になって見せの店主が、マジックインキと紙を持ってきて、これに書けと言います。まさか私が芸能人と間違えられてサインでも求めているのかと一瞬勘違いしましたが、そんな話しはありません。

実は、この店の最も自信のある美味しい「海鮮よせ鍋」を日本語で書けと言っているのだと暫くして、わかりました。それで私の下手な日本語で大きく「海鮮よせ鍋・安くて美味しいですヨ」と書きました。すると店の主人そのまま店の前のガラスに内側より貼付け、親指を立てて「チェーラタ(最高)」と微笑んでくれました。

料理の金額も、安く本当に美味しかったです。

つい最近仕事でその店の前を車で通りました。店が込んでいましたが、その後どれくらいの、日本人が私の下手の文字につられて来店したかわかりません。あの看板が効果が有ったのか無かったのか、店の窓ガラスには、古ぼけ黄色く変色した私の書いた「海鮮よせ鍋・安くて美味しいですヨ」の貼紙が5年以上の歳月を超えて貼ってありました。その当時の店主の顔も覚えていません。でも今度時間が有れば是非この店に立ち寄ってみたいものです。

 

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